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第3章 ストレスと向き合う
不幸になる3原則とパワーバランス
- 「なぜ私がこんな目に遭うの」という自己憐憫
- それは「誰かのせい」「何かのせい」という責任転嫁
- だから「誰かなんとかして私を助けて」という依存心
憐憫(れんびん)=ふびんに思うこと。あわれみの気持。自己憐憫=自分をかわいそうと思う心
多くの人がこの3つの狭間(はざま)で右往左往し、不幸になるのです。「どうせ私なんか」と思うのも自己憐憫ですし、「国が悪い」「こんな世の中のせい」は責任転嫁、「神様お願いします」と丸投げするのも依存心です。
そしてパワーバランスは、言い換えれば正負の法則。自由という正が欲しいなら、努カという負はしなければならないというように、何ごとにもパワーバランスが必要なのです。
ストレスを感じる多くは自己憐憫によるもの。「どうしてこんな目に遭うの」と思えばストレスでしょう。でも責任転嫁したまま、自らで改善の努力をせずに、誰かが援助の手を差し伸べてくれるのを待っていても何も変わりません。
[第3章 ストレスと向き合う]はストレスのケーススタディ
この第3章で取り上げられている項目の対処法は、具体的でわかりやすいです。今のあなたが直面している問題や悩みの項目だけを読んでもよいと思います。
ただ、書いてあることをマニュアルのように実行してはいけません。同じ問題でも、それぞれの環境に合わせたあなただけの対処法を見つけてください。
不幸になる3原則を参考に、今の自分は自己憐憫なのか? 責任転嫁しているのか? 依存心がそう思わせているのか? など考えるとよいかと思います。その上で、このストレスが「負荷」であったら乗り越える努力をする、「害」であったら逃げなければいけません。「わがまま」になって、解決することから逃げることだけは避けてください。正を得るにはそれ相応の負の努力をしなければならないパワーバランスも考慮しましょう。
「害のストレスから逃げる」というと、「それは『逃げ』だからダメなのでは? 乗り越える努力が必要ですよね」と思うかもしれませんが、「逃げる」の解釈が違うのです。「逃げるが勝ち」という場面も当然あるわけで、やはり目の前にライオンがきたら、襲われる前に緊急避難することは必要です。
その塩梅をしつかりと自分で考えなければなりません。やはり考える力が重要なのです。
【目次】
ストレスと向き合うたましいの心得
不幸の三原則とパワーバランス
仕事というストレス
仕事のストレスはわがままか/誤った平等意識/執着や意地が不幸を招く/「害」のストレスからは逃げる——過労自殺しないために/実直さから解放されよう/目の前のライオンから逃げろ/負荷か、害かを見極める/「逃げ」はダメなのか
ひきこもり
ひきこもりは不幸な形だと自覚する/現在進行形でひきこもりに取り組む/ひきこもりが始まった直後が肝心/ひきこもる土壌がなければひきこもれない/とにかく食べることを考える/さまざまな視点と選択肢
いじめ
現代のいじめは命を脅かす「害」のストレス/勉強する意味、学校に行く意味
子どもとの向き合い方
ダメと言えない親の罪/子どもに脅しを教えるイベントとは?
毒親
あなたの親は毒親か/子どもに責任転嫁を植え付ける親/毒親の乗り越え方
親子関係というストレス
悪者になっていいと腹をくくる/親子でもリスクマネジメントは必要/親も子も自律を/精神科医や力ウンセラーをどう取り入れるか
人間関係がもたらすストレス
なぜ人は傷つくのか/インターネットと危うい自己承認欲求/マスクという自己防御の先にあるもの
経済的ストレス・子ともの貧困
アンバランスな日本——子どもの貧困/家族で借金を返す/食べられない状況を打開する方法
食のストレスと真正面から向き合う
添加物まみれで、本当に健康か/中途半端な知識がストレスを生む/美味いものを食べて死にたいという考え方
【対談】
管理栄養士 圓尾和紀×江原啓之
ストレスへの新たなアプローチとは〜体と心をつなぐ食
ストレスと過食・拒食/学ぶことが克服の道を拓く/食によって思考も変わる/日本人に和食がいちばん合う理由
終わりに。
目次に出てくる『子どもに脅しを教えるイベントとは?』ハロウィンのことです。
子供たちは仮装して「トリック オア トリート」(お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ)と言って、各家庭をまわりお菓子をもらいます。これは、一種の脅しであると江原啓之さんは書かれています。
「イベントだから、かたいこと言わなくても」と思うかもしれませんが、脅しを容認することはよくないことです。成長してから、人を脅すことになるかもしれません。
また、ハロウィンでは悪魔などの仮装もします。同じ仮装でも、聖人や天使などの衣装をさせた方がよい、と江原さんは書かれています。なぜなら、言霊(言葉に魂が宿る)があるように、衣服にも魂が宿る—衣霊(ころもたま)があると思う、と江原啓之さんは書かれています。
確かに、私たちは行く場所や行事によって、服装を変えます。お葬式に礼服を着ると心構えもシャキッとします。アロハシャツを着ると、くつろぎます。
『なるほど』と思いました。
今のあなたに悩みがあるなら、江原 啓之『あなたが危ない!— 不幸から逃げろ!』第3章を読んで見てください。解決のヒントが必ず見つかると思います。