映画『ワンダーウーマン1984』

 

【予告編】『ワンダーウーマン 1984』

スピード・力・戦術すべてを備えたヒー口ー界最強の戦士〈ワンダーウーマン〉を襲う、全人類滅亡の脅威とは。世界中の誰もが自分の欲望を叶えられてしまったら—禁断の力を手にした、かつてない敵・マックス(偽りの神)の巨大な陰謀、そして正体不明の敵チーターの登場。崩壊目前の世界を敦うため、最強の戦士が失うものとは何か⁉︎

前回の映画『ワンダーウーマン』の敵は、ギリシャ神話の戦いの神アレース。正直、ギリシャ神話のオリュンポスの神が出てくるとは意外でした。『1話5分で読めるギリシャ神話』を書いている私にとっては。

映画『ワンダーウーマン1984』は、SFアクション映画としては面白かったのですが、ストーリー的には「?」でした。

なぜかというと、見ている次の展開が予想通りに進み、意外性がなかったからです。それでも、『ワンダーウーマン1984』は現実では見られない世界ですから、また自分にはなれないヒーローですから、ワクワクハラハラしてしまいました。

ここでは、詳細なあらすじや感想は他サイトにまかせ、私が興味を持ったマヤの邪神について調べてみました。

映画『ワンダーウーマン1984』マヤの邪神が宿った魔法の石

 

マヤの邪悪な神が宿った魔法の石

 

映画『ワンダーウーマン1984』の敵は人間マックスこと、石に宿ったマヤの邪神です。最初見たときはどんな神かよく分からなかったのですが、再度見直してわかりました。ただ、この神は自分では何もしないかできないのか、人間を通してのみその力を発揮します。

 

マヤの神

 

『ワンダーウーマン1984』の中では、この魔法の石はこう説明されていました。「最初は4千年前のインダス文明、紀元前146年のカルタゴ、西暦4年のクシュ、476年暗殺されたローマ皇帝ロムルスも所有、最後に記録されていたのは死の都ジビルチャルトゥン」と。

どれも、調べようがない説明ですが。

【クシュ】
南エジプトと北スーダンに当たる北アフリカのヌビア地方を中心に繁栄した文明。最も早い時代にナイル川流域で発達した文明の一つ

【ジビルチャルトゥン】
メキシコのユカタン州にあるマヤ遺跡

〈ネタバレ〉魔法の石は1回だけ願いを叶え、最も大切なものを奪う。

石を破壊するか、願いを取り消すか決断しなければ、その効力をなくすことはできません。歴史上、人々はどちらもできず文明は滅びてきました。

ところで、石に宿っているこの邪神、虚妄神、欺瞞神は、マヤの主な神々には見当たりません。地方神や土着神などかもしれません。日本の八百万の神と同じように。

マヤの神々の中には、「願いを叶えるの神」だけの神は見当たりません。その上、最も大切なものを奪う神です。この魔法の石に宿る神は、映画『ワンダーウーマン1984』のオリジナルの神ですね。

映画『ワンダーウーマン1984』の中で、ダイアナは嘘だと思いつつも、つい願ってしまいます。前作で死んでしまったスティーブを生き返らせることを。スティーブは、生きている他人の魂と入れ替わることで再生します。ダイアナはその代わりに、ワンダーウーマンとしての強い力を徐々に失っていくのです。

映画『ワンダーウーマン1984』のクライマックスでは、世界を救うためにスティーブと別れることを決断し、敵チーター(バーバラ)とマックスに対抗します。それまでのダイアナ(ガル・ガボット)はパワーを奪われ、何とも弱々しい女性になっていました。今まで、こんなワンダーウーマンを見たことはありません。

〈ネタバレ〉映画『ワンダーウーマン1984』の敵マックスとバーバラ

今回の最大の敵マックスは、なんとこう願います。
「私はお前になりたい、魔法の石そのものに」
そして、石(の神)になったマックスは人々の願いを叶えていきます。とうぜん、世界の国々や人々には敵や味方がいます。その代表的な確執がアメリカvsソ連のミサイル戦争を引き起こし、世界の滅亡までのカウントダウンが始まります。

はたして、マックスの願いを止めることができるのか? その方法は?

〈ネタバレ〉ヒーロー vs コンプレックスの戦い

もう一人の敵スミソニアン博物館職員バーバラ。彼女は同僚の女職員には気づかれることもなく、男性職員に振り向かれもしない影の薄い女性でした。そんな彼女は「平凡はガマンできない」と同じ博物館職員ダイアナの美貌と力に憧れこう願います。

「ダイアナになりたい」

そして、ワンダーウーマンと同じ能力を持ったチーターになり、ヒーロー(ダイアナ、ワンダーウーマン)vs コンプレックス(バーバラ/チーター)になります。二人は同じ能力を持っていますので、基本的には勝負はつきません。そこで、映画『ワンダーウーマン1984』には、新たなゴールデン・イーグル・アーマーという防具が出てくるのです。。

〈ネタバレ〉ゴールデン・イーグル・アーマーとは?

かつて人間の奴隷だったアマゾンをダイアナの母が解放。だが、逃げるには追手を止める"楯"が必要でした。そこで、全員の鎧を集め鉄壁の鎧を造り上げました、ゴールデン・イーグル・アーマーです。それを着たアステリアの犠牲が、アマゾンを勝利に導いたのです。このアステリアですが、エンドロールの間に少しだけ出てきます。アステリアはTV初代ワンダーウーマンことリンダ・カーターです。

〈ネタバレ〉そして、ワンダーウーマンはスーパーマンになった。

かつてパイロットであった恋人スティーブが教えてくれた「風が教えてくれる、風に乗り、風をつかむ」コツによって、ワンダーウーマンはスーパーマンのように自由に空を飛びます。そして、世の中の悪に目を凝らし、空から事件現場にかけつけます。

 

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魔法の石に宿ったマヤの邪悪な神の考察

日本の神の荒魂(あらみたま)と和魂(にぎみたま)のように、マヤの神にも正邪・明暗などの二面性があります。
しかし、「願いを叶える」という力を持ったマヤの神は、見つかりませんでした。「大切なものを奪う」不気味な神なら多くみられます。次のアー・プチ(下参照)が近いかもと思いましたが、「願い」とは無関係ですから、映画の神はアー・プチではありません。

欧米の人々にとっては、キリスト教が深く根付いています。グノーシス派のヤルダバオート(下参照)は、マヤの神々と同じように映画『ワンダーウーマン1984』の邪神の参考になっているかもしれません。

私の結論としては、グノーシス派のヤルダバオートの概念を、マヤの神として表現したのではないかと思いました。

【荒魂】神の荒々しい側面、荒ぶる魂です
【和魂】神の優しく平和的な側面で、仁愛、謙遜等です

マヤの邪神アー・プチ

 

アー・プチアー・プチは邪悪な死の神であり、ユカタン半島では「ユンシミル」とも呼ばれ、イツァムナー神(天と地の創造神)の宿敵とされています。

マヤの伝承では、死者の行く地下世界「シバルバー」は9層からなるとされ、その最下層である「ミトナル」を支配するのが、このアー・ブチ。

骸骨の姿をして、鈴を髪や首飾りなどにつけた格好で描かれることが多く、その傍らに犬やフクロウ、熱帯に生息するムアン鳥などが配されることもあります。

犬は死者の魂を地下世界に導く動物とされ、また、フクロウやムアン鳥はマヤの人々にとって、不吉な出来事(死)が起こる前兆を暗示する生き物。

アー・プチは常に死者を求めて、病人のいる家々をさまようとされ、マヤの人々に非常に恐れられていました。

また、アー・プチは戦いや生贄の神の眷属でもあり、そのアー・プチを意昧するマヤ文字には、生贄の心臓をえぐり出す石のナイフに似たモチーフが使われています。

グノーシス派のヤルダバオートとデミウルゴス

マヤの神ではないので、「邪悪な神 虚妄の神」をさらに調べてみたら、「ヤルダバオート」「デミウルゴス」が出てきました。
(以下ウィキペディア)

グノーシス主義では、『旧約聖書』に登場するヤハウェと名のっているデミウルゴスを、固有名で「ヤルダバオート」と呼んでいた。『旧約聖書』において愚劣な行為を行い、悪しき行いや傲慢を誇示しているのは、「偽の神」「下級神」たるヤルダバオートであるとした。

ヤルダバオート
ギリシア語では「職人・工匠」というような意味。プラトンは物質的世界の存在を説明するために、神話的な説話を記した。この言葉と概念はグノーシス主義において援用され、物質世界を創造した者、すなわち「造物主」を指すのにデミウルゴスの呼称を使用した。

『ティマイオス』に記されている神話は、超越的な善なる創造神であるデミウルゴスが、自身の似姿として完全なる生き物としての宇宙を創造したというものであるが、この考え方は、ユダヤ教の思想家であるアレクサンドリアのフィロンや、異端ともされたキリスト教思想家のオリゲネスに影響を与えた。
『ティマイオス』に記されている比喩的な寓話は、『旧約聖書』と調和性を持つのではないのかと彼らは考えた。

グノーシス主義の創造神話においても、ウァレンティノスの系統の世界起源論では、デミウルゴスは「造物主」で、まさにイデア世界に相当するプレーローマのアイオーンを模倣して、この世と人間を創造したことになる。

しかし、グノーシス主義の思想や世界観に明らかなように、この世と人間は、いかに考えても不完全な存在にしか見えない。イデアの模造であるとしても、それが完全であるならば、この世も人間も完全に近いか完全な存在であるはずである。しかるに、経験や現象が教えることは世界と人間の不完全さであり、「悪」の充満するこの世である。
そうであれば、デミウルゴスの創造が不完全なのであり、イデアの模造がかくも不完全で、悲惨で崩壊するはかないものである根拠は、模倣者の能力の欠如と、愚かさにあるとしか云いようがない。

【アイオーン】
古代ギリシア語である期間の時間を指し、時代や世紀、人の生涯というような意味である。

【プレーローマ(オグドアス・アイオーン)】
グノーシス主義におけるアイオーンは、高次の霊または霊的な階梯圏域で、アイオーンこそは「真の神」で、ユダヤ教やキリスト教などが信仰している神は、「偽の神」である。またアイオーンは複数が存在し、プレーローマと呼ばれる超永遠世界にあって、男性アイオーンと女性アイオーンが対になって「両性具有」状態を実現している。

 

アブラクサスは正統派のキリスト教によって
デーモン(邪悪の神)とみなされ、崇拝者は異端とされます。

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