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コロナウイルスとネアンデルタール人ネアンデルタール人(ジョー・マクナリー氏提供)

重症化を防ぐ遺伝子 vs 重症化させる遺伝子

『ネアンデルタール人が滅びた謎』が知りたいということではなく、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ遺伝子と反対に重症化させる遺伝子?の記事だったので、メモとしてアップしました。

記事では「驚いたことに、」で終わらせていますが、「重症化を防ぐ遺伝子」vs「重症化させる遺伝子」、一体どういうことなのでしょうか?

日本人は、重症化を防ぐ遺伝子を30%持っていて、重症化させる遺伝子はほとんど持っていないということです。。感染率とは別ですが、日本では欧米や南アジアより、感染人口が低いのもそのため? と思ってしまいます。

2021年7月18日読売新聞朝刊2021年7月18日読売新聞朝刊

(以下、読売新聞から抜粋)

現代人はネアンデルタール人から新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ遺伝子を受け継いでいる

今年2月、沖縄科学技術大学院大の研究論文が話題になった。発表したのは、同大教授を兼ねる独マックス・プランク進化人類学研究所長のスバンテ・ペーボ博士。

古代人のDNAを解読し、現代人の祖先とネアンデルタール人が交雑していたことを突き止めた研究者だ。

コロナ感染症の重症化のリスクを約20%下げる

ネアンデルタール人由来の重症化を防ぐ遺伝子は、現代人の12番目の染色体にある。体内でコロナウイルスの遺伝情報(RNA)を分解する酵素の働きを強め、重症化のリスクを約20%下げるという。

この遺伝子は、日本人の約30%が持つ。

驚いたことに、現代人は新型コロナ感染症を重症化させる遺伝子もネアンデルタール人から受け継いでいる。日本人はほとんど持たず、南アジアの人は約50%が持っているという。

ネアンデルタール人時なぜ絶滅したのか。仮説のーつに、アフリカから世界に広がったホモ・サピエンスとの交雑で、ネアンデルタール人の間でアフリカ由来の深刻な感染症が広がり、人口を減らしたという「疫病仮説」がある。

病気に関係する遺伝子の研究が注目されるのは、この仮説を検証できる可能性があるからだ。高い精度で解読されたネアンデルタール人のDNAの数が増えれば、その手がかりをつかめるかもしれない。

新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを低減

(2021.03.19)
ネアンデルタール人から受け継がれた遺伝的変異体が新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを低減
(こちらの記事の方が詳しいです)

重症化を防ぐ遺伝子、重症化させる遺伝子は別々に発表されたことでした。

昨年(2020年)、スバンテ・ペーボ教授と同僚のヒューゴ・ジーバーグ教授は、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを増加させるとしてこれまでに確認されている最大の遺伝的危険因子がネアンデルタール人から引き継がれたもので、重症化リスクが倍増することを科学誌Natureで報告しました。
(中略)
研究チームは、最後の氷河期の後にその変異体の保有者の頻度が増加し、その後、過去1,000年の間に再び頻度が増加したことを発見しました。その結果、現在ではアフリカ以外の地域に住む人の約半数、日本に住む人の約30パーセントにその変異体が発現していることが分かりました。これとは対照的に、ネアンデルタール人から受け継いだ重大リスクの変異体は日本ではほとんど見られないことが以前の研究で分かっています。

「リスクを低下させるネアンデルタール人の変異体保有者の頻度が増加したということは、過去にもそれが有益であった可能性を示唆しています。そして変異体保有者の頻度が増した期間はおそらく他の様々な疾患がやはりRNAウイルスによって引き起こされ流行していたのだろうと考えられます。」とペーボ教授は説明しています。

ネアンデルタール人より受け継がれた新型コロナウイルス感染症の重症化に関わる遺伝要因

【ネアンデルタール人】
学名はホモ・ネアンデルターレンシス。
1856年にドイツのネアンデル谷で発見された人骨などにちなんで名付けられた。眉の部分が隆起し、鼻から口にかけて突き出た顔、がっしりとした筋肉質の体が特徴だ。約30万年前から約4万年前まで欧州を中心とするユーラシア大陸で暮らしていた旧人類の絶滅種または亜種である 。

アフリカを出たホモ・サピエンスが欧州に進出したのは約4万5000年前と考えられており、両者は心なくとも数千年間は、ほぼ同じ地城にいたとみられる。彼らは、大規模な気候変動 、病気 、またはこれらの要因の組み合わせによって絶滅した可能性が高い。彼らは完全にヨーロッパの初期の現生人類に取って代わられた。