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知床五湖知床五湖

2005年(平成17)、世界自然遺産に登録された知床。日本では、1993年(平成5)屋久島、白神山地についでのことです。知床とは、アイヌ語で「シリエトク(地の果て)」という意味です。

そんな知床について、江原啓之氏はこう語っています。

「知床を訪れるときに、理屈は必要ありません。あえて聖地巡礼の旅として位置づけなくても、知床の自然に接するだけで、巨大な神々の存在を感じられるのではないでしょうか」

知床八景

知床には、主な景勝地が8っヵ所あり、知床八景として知られています。有名なのが原生林に囲まれた知床五湖です。約3キロメートルの遊歩道を歩いて90分間ほどで歩けます。

  1. 知床五湖
    原生林に囲まれた幻想的な5つの湖です。
  2. オシンコシンの滝
    日本の滝100選。途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれています。
  3. フレペの滝(乙女の涙)
    この滝には川がありません。知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、約100mの断崖の割れ目から流れ落ちています。
  4. カムイワッカ湯の滝
    活火山である硫黄山の中腹から涌き出る温泉が川に流れ込み、川全体が温泉になったようなもの。
  5. 知床峠
    斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠。
  6. 夕陽台
    知床国設野営場の一角にある夕陽の名所。若者たちのデートスポットとして人気あり。
  7. プユニ岬
    ウトロから知床自然センターへ向かう途中の上り坂にある絶景と夕陽の名所。
  8. オロンコ岩
    その昔、住んでいた先住民族オロッコ族から、この名がついた高さが60mある巨岩。

知床の観光情報|知床斜里町観光協会

江原啓之「知床は、自然への畏怖を感じる場所」

(以下、江原裕之氏の言葉)

神社仏閣が、「神域」という約束事によって守られてきたのに対し、知床は人間の物質的価値観の枠外にあったために、今も壮大な聖地であり続けている……。

そう考えると、人知を超えた神々の配慮さえ感じられるような気がします。知床を訪れるときに、理屈は必要ありません。あえて聖地巡礼の旅として位置づけなくても、知床の自然に接するだけで、巨大な神々の存在を感じられるのではないでしょうか。

知床五湖知床五湖の原生林

知床には八か所の景勝地があり、知床八景と名づけられています。なかでも有名なのは、原生林に囲まれてたたずむ知床五湖でしょうか。知床連山の麓に位置する原生林のなかに点在する神秘的な五つの湖は、順に一湖、二湖……と呼ばれ、絶好の散策コースになっています。約3キロメートルの細い遊歩道を歩いていけば、知床五湖のすべてを見て回れるのです。

不思議なことに、知床五湖には流れ込む川も、出る川もありません。

知床五湖の水は、湖底の岩を伝わってって知床半島の絶壁に染み出していき、常に鏡のような透明度を保っているそうです。まさにサンクチュアリというにふさわしい、神秘的な湖だといっていいのではないでしょうか。

エゾ鹿

鹿は神様のお遣いとして大切にされており、神域に野生の鹿がいることもめずらしくありません。しかし、巨大なエゾ鹿の雄大さは、本州の鹿とは比べ物になりませんでした。漆黒に輝く鹿の目には、まさに神の存在を感じさせるだけの神々しさがあったのです。

フレペの滝(乙女の涙)フレペの滝(乙女の涙)

地元の人たちの間で「乙女の涙」という美しい名前で親しまれているのが、フレぺの滝です。この滝にも川がなく、知床連山に降った雪と雨が地下に浸透して、それが垂直に切り立った約百メートルの断崖から流れ落ちています。さながら美しい乙女が流す涙のように、ホロリ、ホロリと流れる様子は、多くの観光客の目を惹きつけてやみません。

カムイワッカ湯の滝カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝も忘れられません。これは、知床硫黄山の中腹から流れ出る温泉が川に流れ込み、川全体が流れる温泉になったようなもの。

スピリチュアルな意味でいうと、滝には浄化のエネルギーがあります。澱むことなく流れ続け、粛々と場を清めてくれるのです。熊野地方の那智の滝がそうであるように、聖地のなかには、滝そのものがご神体となっている場合も少なくありません。

修験道では、今も盛んに滝行が行われています。それも、滝の持つ神性によって、修行をする人の霊能力や精神力を高めようとするからこそでしょう。

スピリチュアル・サンクチュアリのひとつの指針として、滝に目を向けた旅を考えてみるのも、個性的な聖地巡礼になるかもしれません。

オシンコシンの滝(双美の滝)オシンコシンの滝(双美の滝)

知床は、「静」と「動」、二つの表情を持っています。

どこまでも深く澄み切った知床五湖を、静の代表とするなら、とうとうと流れ落ちるオシンコシンの滝や、今なお活動を続ける硫黄山の荒々しさは、動の代名詞だといえるでしょう。

オシンコシンの滝は、断崖から飛沫をあげて流れ落ちる、迫力のある滝です。オシンコシンとは、アイヌ語で「エゾマツの多いところ」という意味だそう。途中で流れが分かれることから、「双美の滝」とも呼ばれている景観は、一度訪れてみる価値があるでしょう。

一方、大地のエネルギーを肌で感じることができるのが、川湯温泉の硫黄山です。活動中の活火山だけあって、山肌からは白い蒸気が絶え間なく噴き上がり、あたりには硫黄の匂いが充満しています。火山はパワーの象徴だけに、じつと硫黄山にたたずんでいると、まさに地球の胎動を体感できます。

川湯温泉の硫黄山川湯温泉の硫黄山

終わりに

知床に一度行ってみたくなりませんか?

原生林の中の知床五湖を90分から120分間で歩いて、その空気を思いっきり吸いたくなりました。夏に行けば原生林の緑と澄んだ水が、きっと命を潤してくれるでしょう。

人間は大昔から、自然と一緒に生きてきたに違いありません。今のような都会のコンクリートジャングルの中での生活は、不自然に違いありません。かと言って、逃げ出すわけにはいきません。

ですから、たまに自然の中にゆったり佇んで、深呼吸をすることが、人間の心身に必要なのでしょう。

知床、そこは魂の回帰にはよい場所に違いありません。