スピリチュアリズムは、心霊研究がもと。
宗教とスピリチュアリズムは、根本的な事柄としては似ているところがあります。宗教で言う「聖人、聖者」と言われる人たちはみなある種の超能力や霊能を有しています。精神的世界をかいま見ている人たちであり、その伝道者です。
その点では似ているのですが、わざわざ「スピリチュアリズム」と言う必要があるのは、宗教は神がもとであり、スピリチュアリズムは心霊研究がもとになっているからです。心霊研究や心霊実験は、この160年以上もの間、数限りなく行われ、いわゆる科学のメスを入れてきたという歴史があります。
過半数の人が霊的世界を信じています。宗教家や科学者の中にも本当はスピリチュアリズムを信じている人がいるのですが、保身から認めることを避けています。科学では証明できない現象が枚挙にいとまがないほど起きているにもかかわらず、目の前で起きた出来事を認めようとしません。
スピリチュアリズムを認めない学者や精神科医
大槻義彦氏の言動
「めいめいが前世を持っていて、そんなに前世がたくさんあったら、あの世がいっぱいになってしまう」
「オーラは光の三原則にかなってない」
物質世界の常識で霊的世界を語ろうとするからおかしくなるのです。第一、火の玉の研究や超常現象をすべてプラズマで説明する態度がそもそも非科学的ではないでしょうか。
香山リカ氏は、精神医学でスピリチュアリズムを否定します。
しかし、精神医学そのものが科学的根拠を持っていいません。明確な裏付けがないまま、病の診断、治療などが行われているのが現実です。
フロイトやユングは思想であり、精神医学はむしろ薬学との関わりが深いジャンルです。
宗教こそ証明できない最たるもの
キリスト教の聖書は、2000年も前の口伝をもとに書かれており、記されている数々の奇跡や言葉は、本当にイエスのものだったかの証明などできないからです。
科学的に証明できないものは一切嘘だということになったら、宗教における「奇跡」や「聖人」をも否定することになってしまうのです。霊的なことを否定するというなら、まずは、キリスト教をはじめとする宗教界に異議を唱えてはどうでしょうか。
最後に、魂って、本当にあるんですか?
魂は絶対に存在します。
それは、赤ちゃんの個性を見ればわかります。生まれたときから気難しい子もいれば、おっとりした子もいます。赤ちゃんのときから性格があること自体、魂があることの証ではないでしょうか。そうしたことを「神秘」だと受け止めることがもっと重要だと思うのです。
もし、魂というものがなかったとしたら、環境が人格形成のすべてで、生まれ持っての性格というのはないはずです。それならば、双子で生まれ、同じ環境に育ったら、まったく同じ性格気質の子になる、ということになってしまいます。そんなはずがないことは、言うまでもありません。
『江原啓之 スピリチュアリズムを語る』(2009.12)より