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ふつう「殺菌」は高温でしょ?

加工食品はほとんど加熱殺菌するのが安全だと思っていました。それも高温での殺菌が。

しかし、牛乳は違うんだそうです。『おとなの週刊現代』(2021.07.19発売)にこんな記事が出ていました。

牛乳を飲むとお腹を下す人がいるとは知っていましたが、高温殺菌すれば微生物は死滅すると思っていました。でも、微生物だけではないのですね。眼から鱗でした。

以下、長いですが、考えさせられる記事ですので引用抜粋します。

牛乳だけでなく、その他の記事も考えさせられます。「完全保存版」です。関手にとって読んでみてください。

おとなの週刊現代

海外で「日本の牛乳が嫌われる」理由

欧米では危険視される「超高温殺菌」の牛乳が日本の9割
鎖で24時間縛り付けた牛から搾り出す「地獄の搾乳」の現場
飲めば飲むほど体内に蓄積される「危険因子」
前立腺がんのリスクが1.5倍。アレルギーや認知症も

高温殺菌で危険物質が

日本には、牛乳のリスクを高める特有の事情がある。オーストラリア国立大学教授で酪農学に詳しいジョン・カーバー博士が解説する。

「日本で流通している牛乳の9割以上が、超高温殺菌(UHT)と呼ばれる方法で作られています。これは、集めた生乳を120度から150度の温度で2〜3秒加熱して殺菌し、商品化するという製法で、日本では通常、120〜130度で2秒加熱するという方法がとられています。

しかし、超高温で殺菌された牛乳はカゼインを分解するための酵素が壊されて消化、吸収されにくくなります。さらに最も危険視されているのがタンパク質のベータラクトグロブリンとカゼインが融合し、アミロイド線維が形成される点です。

アミロイド線維は体内に蓄積すると、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病を引き起こす恐れもあるとして注目されています。

超高温殺菌牛乳を継続して飲むことは、神経病の危険因子を絶えず体内に流し込んでいることと同じなのです」

牛乳パックの裏の表示牛乳パックの背面表示

「危険なため、海外では超高温殺菌はほとんど行われておらず、63〜65度で30分間加熱する低温殺菌が主流となっています。

超高温殺菌牛乳のオーストラリアでのシェアは7%にとどまっており、スウェーデンやノルウェーでは、なんと0%です。成分が変わると、当然風味も変化します。みずみずしさがなく、飲むと喉に絡むような後味は、超高温殺菌牛乳に特有のものなのです。

実は北欧では、超高温殺菌牛乳は『死んだ牛乳』と呼ばれているのです」(前出・カーバー氏)

乳牛

搾乳のための「機械」扱い

岩手県で完全放牧による牧場経営を実践する、しあわせ乳業の前田英仁氏が現状を嘆く。

「配合飼料を与えられるつなぎ飼いのホルスタインからは、多くて一日に40リットルもの牛乳が搾られます。これは、放牧で育つ同種の約4倍の量です。

自由に歩くこともままならないまま、穀物を与えられて大量の乳を搾られる。まさに牛乳を出すための機械のような扱いを受けて一生を終えていくのです。超高温殺菌という加工方法に加え、牛舎につなぎ、不自然な育て方をされた牛から搾り出した牛乳を口にすることが、私たちを健康に導くとはとうてい思えません」

1リットルが120円前後と極めて安い価格の理由

海外でほとんど行われていない超高温殺菌とつなぎ飼いが日本で盛んに行われている背景には、大量生産を最優先してきた、国の政策がある。酪農を担当し、研究してきた元農林水産省職員が告発する。

「日本の乳業界には指定生乳生産者団体制度というルールが敷かれています。これは牛乳の価格を固定化し、酪農家はその価格に基づいて牛乳を取り引きするというもので、一元集荷、多元流通という大量生産体制を支えているのです。

しかし、現在でも1リットルが120円前後と極めて安い価格で取り引きされているため、酪農家にとっては利益が出にくい構造となっています」

いくら手間暇をかけても利益が出にくい制度に縛られ、生産者は安全性より効率重視で、最低限のコストで牛乳を作らざるを得ない。

前出の元農水省職員はこう解説する。
「戦後の学校給食に牛乳が取り入れられるようになり、需要は急激に高まりました。学校給食だけでも1962年から1970年にかけ、消費量は20倍以上になったのです。そのため安くて安定した牛乳の供給が必要になり、リスクについては見直されることがないまま、現在に至っている」

牛乳

搾取される生産者

秋田県湯沢市で乳製品の加工を営む栗駒フーズの高橋惇社長がこう語る。

「低温殺菌の牛乳は最低でも30分間生乳を加熱しなければいけませんが、超高温殺菌であればものの2秒で殺菌が済みます。日本で超高温殺菌が主流なのは、大量生産を強いられるシステムが存在するからなのです。

つなぎ飼いにしても理由は同じ。放牧の牛は乳量が少なくなるので、大量生産体制を維持するためには、つなぎ飼いをして乳量を増やさなければいけないのです。

乳脂肪分が指定団体の定める基準を下回った場合、買い取り値が半額になってしまうケースもある。生産者が搾取されているのが現状です」

これらの問題について、乳業従事者が加盟する団体の一般社団法人Jミルクは本誌の取材に対してこう回答した(慨略)。

「高温殺菌の牛乳はほぼすべての微生物が死滅しており、流通上のリスクが低下します。さらに一定の賞味期限を保つことが可能となり、安全に加えて低価格化など消費者へのメリットも生まれるため、高温殺菌牛乳が主流となっているのです。

また、指定生乳生産者団体制度は、酪農家が自身の判断で乳業会社への全量委託、部分委託を選択することができます。そのことから、酪農家にとって都合の悪いルールではないと思われます」

牛乳は長く準完全栄養食とされてきた。バターやヨーグルト、チーズといった様々な乳製品に形を変えて、私たちの食生活に彩りを与えていることも事実である。

牛乳が私たちの生活になくてはならないものだということは否定のしようがない。ただその一方で、日本の牛乳産業が抱える問題と、それを飲み続けることのリスクを、頭の片隅には止めておいたほうがいいだろう。

終わりに。乳牛だけでなく卵も

これは牛乳だけの問題ではありません。同じようなことは「タマゴ」でも起きています。狭いケージの中のニワトリも、安いタマゴの流通のため、「タマゴ」製造機になっているのです。

『おとなの週刊現代』の中の「日本のタマゴはこんなに危ない」も、読んでみてください。