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公私の問題

パリ五輪2024に出場決定した日本代表バスケットチーム、おめでとうございます。

しかし、今回のワールド杯に出場辞退した八村塁選手に対する、パリ五輪2024への待望論を見たり聞いたりするたびに、なんか奥歯にものが挟まっているような感覚があります。

そこで、その理由を考えてみました。おそらく公私の問題をどうとらえるかではないでしょうか。

八村塁 炎の絵文字3つの祝福X(Twitter)

八村塁選手のこのX(旧Twitter)に対して、バスケットファンからの声です。

来季のNBAシーズンは君の番だ
パリで待ってる
みんながあなたのカムバックを待っています!
間違いなく、あなたの力が必要です!

このように、パリ五輪2024では八村塁選手の代表入りを熱望する声が多かったといいますが……

八村塁選手 パリ五輪にはいらない?

と、考えてしまう自分がいます。それは、今回のワールド杯に出場辞退した八村塁選手のコメントが、まったく個人的な理由だったからです。

勝ち取った選手が、パリ五輪2024に出場すればいいのでは!

オリンピックは国がバックアップする最大のイベントですから、その時の最高の選手を選出すべき、とはわかっているのですが……

記者会見でのトム・ホーバスHCの「喜びの声」の中でも、こんなコメントがありました。

トム・ホーバスHCのコメント

(八村 塁が)やらないならこのメンバーでいいチームをつくる。自信はあります
やりたいんだったら、彼(八村 塁)から声をかけたらいい

このコメントがどんな意味なのか? バスケットに詳しくない私にはわかりませんが、どこか引っかかりました。

それは、八村塁選手のワールド杯出場辞退の理由が、全く個人的なものでしたので、トム・ホーバスHCの心の奥には、なんかしっくりしていない点があるんではないか、と思われました。

八村塁選手のワールド杯「出場辞退」コメント

「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」男子日本代表チーム 八村塁選手(LAレイカーズ)欠場のお知らせ
2023年6月27日
→http://www.japanbasketball.jp/release/69608

「このたびは今年のFIBAワールドカップを欠場する決断をさせていただきました。ワールドカップを楽しみにしていてくれていたファンの皆様にはこのようなご報告になってしまい申し訳ありません。
とても難しい判断でしたが、昨シーズンと長いプレーオフ戦を終え、これから初めてのフリーエージェンシーに備えて今後の自分のNBAキャリアを優先し考慮させていただき、このように判断いたしました。また、来シーズンに向けてこの夏はトレーニングに集中し、体のコンディションを整えさせていただきます。
関係各所の皆様、JBAの皆様、トム・ホーバスHCには今回僕の決断を理解していただき大変感謝しています。バスケ日本代表チームメートの活躍を祈るとともに、一番のサポーターとして応援させていただきます」

まったく個人的な理由で、八村塁選手は今回のワールド杯に出場辞退したのです。個人の自由ですから、これはこれでいいと思います。

しかし、八村塁選手は日本ではおそらく過去最高のバスケットボール選手です。その期待を背負っている公の立場もあるのではないでしょうか。

日本代表選手には、国(税金)が大いに関わってきます。個人の自由と尊厳が損なわれない限り、日本代表としての義務と責任があるのではないでしょうか。

公の立場がない私などは、公私の問題はまったくありません。ふつうの社会人として間違いを犯さなければいいだけです(悲?)。

「出場辞退」に対するトム・ホーバスHCのコメント

「沖縄で開催されるワールドカップを、能力や存在感のある八村選手と一緒に戦えないことは非常に残念です。しかしながら、私たちは現在の代表候補選手に大きな期待を抱いており、ワールドカップにおいてアジアNo.1のチームとなってパリオリンピックの出場権を獲得するという目的を達成するために努力を続けていきます。
八村選手がNBAで活躍し続け、そして来年のパリオリンピックでは一緒に戦えることを心より願っています」

この時点よりはるかに、トム・ホーバスHCにとっては、今のチームの選手一人ひとりに親近感を感じているのではないでしょうか。今のチームの選手を大切にしたい、と考えていると思います。

JBA東野智弥技術委員長コメント

「このたびの八村選手の招集見送りの決断については、自国開催のワールドカップで同世代の最高のプレーヤーたちとの競演が見られないのは残念ですが、この決断により今後八村選手個人のさらなる成長が見込めること、また、日本チームが「チーム一丸」となり、ハングリーさを前面に押し出せるチームで闘うことにつながることを信じ、その楽しみは次のステージであるパリオリンピックまで先送りします。
今回は八村選手不在となりますが、我々は戦い抜きます。ホーバスHCは、いつも逆境を退ける力を見せてくれます。私個人としても、またJBAとしても不退転の覚悟持ってホーバスHCを全力でサポートし、世界に立ち向かっていきますので、引き続き、ご声援をよろしくお願いいたします」

まとめ

今回のワールド杯に出場辞退した八村塁選手に対する、パリ五輪2024への待望論を見たり聞いたりするたびに、なんか奥歯にものが挟まっているような感覚がありました。

そこで、その理由について考えてみました。おそらく公私の問題です。公の立場に立つような私(個人)は、その義務と責任をどう考えるかです。